阿蘇に春がやって来た!野焼き体験イベントに参加してきました【たぶんPR】
こんにちは!ことぐらしのことです。
2月23日に阿蘇で開催された野焼き体験イベントに参加してきたので、今日はそのレポ投稿です。
今回の野焼き体験イベントは、
- 阿蘇の野焼きについて学べ、
- 立ち入り制限のある牧野に入れて、
- 子どももカメラもOK!
という3つの推しポイントあり!です。
阿蘇や熊本県のみならず、なんと九州全体(!)にとっても重要な行事である阿蘇の野焼き。
一般の人が牧場に立ち入って野焼き体験をするのは、これまでほとんどない機会でした。
「重要×貴重」な体験だけど、子どもたちも気軽に参加できる安全・安心なイベントレポを、ぜひご一読あれ!
今後開催される野焼き体験の詳細は、こちらから。
※ことぐらしの中の人の親族がやってるので、わたしもスタッフを兼ねて参加しました。お金はいただいていませんが、たぶんこれは【PR】です。こうやってわかる場所に書かないと、ステマになっちゃう世界なんです。ぴえん
野焼き体験に参加してみた!
今回の野焼き体験は、阿蘇でツアー事業を行う「あそたんガイドツアーズ」が主催したもの。
これまで、野焼きや牛の放牧を行う牧野(ぼくや:阿蘇の牧場のこと)内に、一般の人が立ち入ることは難しかったのですが、数年前から阿蘇の草原への理解を深めてもらうため、牧野でのツアー事業や体験イベントなどを開催しているそうです。
今回の野焼き体験は去年に引き続き、二度目の開催。
① 9:00 集合時間に到着!
※わたしはスタッフ兼ねていたので、別作業のためあとで到着しました。下記は事実に基づくけれど、実体験は伴っていません……。
今回の野焼き体験イベントの舞台は、阿蘇市にある町古閑牧野(まちこがぼくや)です。
阿蘇駅から車で20分ほどの場所にある牧野。
牧野内に設けられた集合場所は、車が停められるよう白線が引かれています。
駐車場に停めたら、仮設の受付カウンターで誓約書にサインし、費用(4,000円)を支払います。
代金の一部は、草原保全にも充てられています。
万が一のときのためには、町古閑牧野が入る保険で通院費用などが出るそう。もちろんそういうことにならないのが一番だけど、体験時の保険加入はありがたいです。
今回は、熊本県内外から16人が参加していました。
保育園の子どもさんから、上は80代の方まで!若い方やカップル、家族やお友だち同士など、年代もグループ構成も幅広いメンバーでした。
② 9:30 牧野組合長と主催者からの挨拶
※途中から参加しました。
まず、あそたんガイドツアーズ代表・藤原千草さんから、イベント開始の挨拶を聞きます。
草原保全・維持周知活動の一環として、野焼き体験イベントが行われるようになったことなどを話していただきました。
観光や体験という一面だけでなく、阿蘇の伝統を守るという側面もある体験イベントだと分かりました。
つぎは、町古閑牧野の牧野組合長・市原啓吉さんから野焼きについて説明が。
野焼きによって何ができるのかというと……
- 牛や馬の飼料である牧草を育てる
- 牧野内の害虫・疫病の抑制
- 草原の保水量を高め、九州各県へ水の供給を可能に
牧草を育てるためや害虫・疫病の抑制というのは、なんとなく想像がつくけれど、野焼きによって九州各県への水の供給が可能になっているというのにはびっくり!
阿蘇は湧き水が至る所にある「水の町」というイメージは確かにありましたが、野焼きがその役目を担っていたとは……。
なんでも、草原は野焼きをしないと2,3年で藪になってしまうそう。
火山灰の降る阿蘇では元々森林は育ちにくく、野焼きをして草原を維持することによって、阿蘇地域全体の保水力を高め、九州の水がめとしての機能を果たしているのだとか。
市原組合長がひとこと。
「野焼きをすると、二酸化炭素が出るとか環境破壊だとか、声が上がるけど、環境を守るためにも野焼きが大切なんだと知ってほしい」。
③ 9:40 たいまつ作り&火消し体験
話をきいたあとは、野焼きの火付けに使用するたいまつをみんなで作ります。
前もって刈られた「カヤ」を、用意された藁でまとめていきます。
藁は、くくってしまわず、「ねじって隙間に先を入れ込む」だけというもの。
市原組合長の実演を見たあと、実際に作ってみます。
ねじって隙間に入れ込むという作り方は、しっかりとまとまって、ほどきやすいというのが利点。
たいまつの火は、藁でまとめた場所で止まりやすくなるので、頃合いを見て藁を引きほどけば、たいまつを長く使えます(語彙力皆無だけど意味わかりますかー!)。
作り方や材料にも、先人の経験と知恵が詰まっています。
つぎは、火消し棒の使い方を教わります。
火消し棒とは、竹とカズラでできた、ラクロスのスティックに似た形状のもので、長さは2メートルほどあります。
できるだけ棒のお尻の方をもって、高く上げずに、低い位置で火を叩くと消えるそう。
実際に市原組合長がバーナーでつけた火を、みなで予行演習がてら消します。
「こんなのでほんとうに消えるの?」って思ってましたが、ひと叩きで火が消え、またも先人の知恵に感服しました。
④ 10:00 いよいよ火入れ開始!
バーナーでつけた火種から、たいまつで火を移していきます。
火の起点を増やすことによって、野焼きが効率的に迅速になります。
ぽんぽんぽんと火をつけて回ると、勢いよく火が燃え上がります。
たいまつの火が先ほど藁でまとめた場所で止まれば、藁をほどき、火を維持したまま、また別の場所へ。
乾いたカヤはあっという間に燃え、火は斜面の上方へ、そして左右へと広がっていきます。
ばちばちばち、という轟音。思わず後ずさりしてしまうほどの熱。舞い上がる風。そして、空からは草の燃えかすが降り注ぎます。
現実感の全くない光景は、正直いまでも消化しきれていません。
日常生活では全く経験したことのないシーンに自分がいると、これが夢かうつつか分からなくなります。
ぼーっと不思議なこの光景に見惚れていたい気持ちですが、すぐに作業に戻らなくては!
野焼きは危険の伴う作業なので、体験者もスタッフも一同に火の管理をしなくてはいけません。
飛び火や、手前に延焼した火を火消し棒でこまめに消していきます。
この火消し棒で消す作業が、意外ときつい!
たしかに一度叩けば火が消えるけれど、場所を変え細かく叩かないといけないので、さすがに息切れしました(心肺機能鍛えたい…)。
火をコントロールできる人間ってすごいなぁ、と漠然と感動しました。
⑤ 12:00 野焼き体験終了!
2時間の野焼き体験が終わり、集合場所に集まって閉会となります。
「阿蘇の野焼きを体験?んにゃんにゃ、わたしが九州の水がめを守ったとよ!」って思い込んじゃうくらいのやりがいある野焼きイベントでした。
最後に市原組合長から、「四季を通じて、阿蘇の草原がどんな変化を辿るのか観察してほしい」との言葉が。
いま燃えて真っ黒になったこの場所が、芽吹いていく様子などを年間を通じて追えたらな、と思いました。
今日燃やした野焼きによって作られる水は、25年後、湧き水となって人々の口に入るそう。いま飲んでいるお水も、25年前の誰かが野焼きをしてくれたから。
心地よい充足感と、将来の誰かのためタイムカプセルを仕込んだ感覚をお土産に、牧野を後にしました。
後記:春を迎える喜びの火、ぜひ一度体験を
燃えさかる火を見ると、たしかに「怖い」という本能的な気持ちも起こります。
けれど、次第に、ばちばちという火の音が春を迎える拍手のように、空から舞う草の燃えかすが春を祝う紙吹雪のように見えてなりませんでした。
阿蘇の人たちにとって、この春を迎える喜びの火は日常的な季節の光景。
火や水、動物たち、植物たち、その中に暮らす人間という世界の構図も、わたしたちとは違って見えているんだろうなぁと少し羨ましくなりました。
そんな野焼きを間近で体験でき、ほんとうによかったと思います。
多くの人に、ぜひ一度は体験してほしいものです。
次回は3月6日と3月12日に開催予定です。
体験のお申し込みはこちらより↓
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