犬の里親になった実体験と心得。問題行動がある犬でもリスタートできる
マルとの出会いは、里親掲示板でした。
最近は、ペットショップからではなく、保護施設や里親掲示板などからわんちゃん・猫ちゃんを迎えようと考えている人も多いですよね。
実際に里親掲示板からわんちゃんを貰うってどんなものなのか、実体験をシェアします。
里親掲示板「ペットのおうち」。
わたしたちは、里親掲示板「ペットのおうち」を利用しました。
「ペットのおうち」で目に留まったわんちゃんは、シルバーのトイプードルの男の子でした。
里親に応募したのですが、応募人数が多かったようで、残念ながら落選。
その後は、「ペットのおうち」以外にも「いつでも里親募集中」や「ジモティー」もチェックしながら、わんちゃんを探していました。
そして、やはり「ペットのおうち」で、マルと出会うことになりました。
元飼い主さんと連絡をとる。
目に付いたのは、10ヶ月のマルチーズの里親募集。これがマルとの出会いでした。
飼われているのは、同じ九州内ということで、早速飼い主さんと連絡をとりました。「ペットのおうち」は直接のやりとりではなく、サイトを介してメッセージを送り合うことができます。
連絡をとると、「とにかく早く引き渡したい」とのことで、「いつなら来られますか?」とメッセージが来ました。
夫と相談して、次の日の夜なら引き取りに伺える旨を伝えました。
その時点で、何人かからすでに里親立候補の連絡があったようですが、おそらくわたしたちの提案した日が一番早かったようで、結果すんなりと話が運び、わたしたちがマルを譲り受けることになりました。
その後、待ち合わせ場所を提示され、やりとりは終了。
譲渡当日のあれこれ。
次の日。前日のメッセージでは、待ち合わせ場所と時間を決めただけ。
わんこと一緒に首輪やリードなどももらえるのかがわかりませんでした。
「とりあえず、首輪やリードは付いているだろう」と想像して、ペットショップでは、トイレシーツ・ペットフード・おやつ・おもちゃ・クレート・犬用ベッド・クッションを購入しました。
3時間ほどかけて、待ち合わせ場所に到着。しばらくしてやってきたのは、若いご夫婦でした。
そのご夫婦から手渡されたのは、成犬に近いとはいえ、まだまだ小さいマルチーズ。
血統書とワクチン接種の証明書をいただきました。
こちらからも、ペットのおうちで定められている誓約書と免許証のコピーを渡そうとしたのですが、「いらないですよ」の一言。
最後に、「じゃあな」と一言かけて、元飼い主さんたちは立ち去っていきました。
「譲渡ってどんな感じなんだろう」とすごく気構えていたのですが、あっさりと終了しました。
車に乗って、腕の中のマルチーズに目をやると、とにかくおとなしい。知らない人に抱かれているのに、飼い主はいなくなったのに、吠えもしません。
とりあえず買っていたおやつをあげて、犬用ベッドに座らせてみます。
帰り道の途中で散歩でもさせようと思ったのですが、ここで首輪がついていない(!)ことに気づきました。
気づいたときには、すでに時間も遅く、ホームセンターやペットショップは閉まっていたので、近場のスーパーで有り合わせの首輪とリードを購入しました。
帰り道に少し散歩をさせ、トイレをさせてから、我が家へ到着。
いまだに、吠え声を聞いていません。
おもちゃで遊べば、少し感情が出るかな?と思い、買っておいたおもちゃで遊んでみます。
それなりに遊んでくれたのですが、やっぱり感情がなく、無表情です。その日は、「この子大丈夫なのかな」と少し不安でした。
次の日。数々の問題発生。
次の日。相変わらず表情がないまま。
そして、トイレの粗相が何度もあります。元飼い主さんの話では、トイレのしつけはできているとのことだったのですが、やはり環境が変わったので、またイチからトイレトレーニングです。
さらに、食事を摂らないという問題も発生。
譲渡があまりにもあっさり終わったので、元飼い主さんに以前の生活環境を聞けませんでした。
以前、与えていたペットフードが何かもわかりません。
わたしたちが買っておいたペットフードには口をつけなかったので、しばらくは手作り食を作ることにしました。ササミや野菜を柔らかく炊いて与えると、少しずつですが食べてくれるようになりました。
そして、一番の問題は分離不安と社会性のなさです。
以前の生活でも分離不安が出ていたかどうかがわからないのですが、マルの分離不安は本当に大変で、ノイローゼになりそうでした。
社会性のなさもすごく悩みの種でした。散歩のときは、他のわんちゃんが遠くにいるうちから吠えかかってしまい、とても大変でした。
里親としてペットを引き取るという決定には覚悟が必要。
里親としてペットを引き取ると、初めはたくさんの問題が吹き出します。
大きくなってから環境の変化を経験すると、わんちゃん自身、今までできていたことが全くできなくなることがあります。
問題行動が出ることも多いですし、主従関係が築かれるまではしつけがなかなか入らなかったりもします。
里親としてわんちゃんを引き取ることは、覚悟が必要です。
でも、何歳であってもリスタートは可能ですし、環境になれたり、新しい決まり(しつけ)を覚えたりして、成長することができます。
今では、マルは本当にお利口で、散歩に行ってもよく褒められるほどになりました。今でもポーカーフェイス気味ですが、感情はちゃんとわかるようになりました。
偏食もなく、錠剤が餌に入っていても気にせず食べてくれます。(信用してくれてるのかな。)
トイレの失敗もなく、お留守番もできます。社会性も身につき、他のわんちゃんとも仲良くできるようになってきました。
今振り返ると、犬の可能性を信じて、根気強くしつけていくことが大切だな、と感じます。諦めそうになることもありましたが、諦めずに教えていくと、しっかり吸収してくれました。
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