犬の分離不安とは?分離不安が治って分かった症状や解消法・治し方
ペットのわんちゃん、こんな症状はありませんか?
- お留守番ができない。
- 飼い主の姿が見えないと吠える。
- 飼い主が出かけた後、家の中を荒らす。
これって、分離不安という病気かもしれません。
わたしたちが飼っているペットのマルも以前は、分離不安がとても強く、困っていました。でも、今はその分離不安が治ったんです。
治ったからこそ分かる、分離不安の症状や治し方・解消方法をまとめていきます。
分離不安とは。
分離不安とは、飼い主の姿が見えなくなると不安でたまらない精神状態になることを言います。
狂ったように吠えたり鳴いたりします。時には、うんちを食べてしまったり、部屋を荒らしたり、自分の尻尾や手を噛んで毛をむしってしまったり、と問題行動を起こすこともあります。
分離不安は、飼い主側のストレスやご近所迷惑になるだけでなく、犬にとってもかなりのストレスです。
人間の精神病に近い状態ですので、無理のない範囲で少しずつ「安心していいんだよ」ということを教えてあげなければなりません。
マルは生後11ヶ月の頃に里親に出され、我が家にやってきました。
以前の生活でも分離不安が出ていたのかは定かではありませんが、我が家に来て数ヶ月は、とにかく分離不安がひどかったです。
トイレに行くのだけでも狂ったように吠えていました。お風呂なんてもってのほか。
その頃は、マルをゲージに入れてお風呂に入っていたのですが、出てくるとゲージを噛んで塗装を剥がし食べてしまっていました。
もちろんお留守番ができるわけもなく、試しに玄関から外に出てみても狂ったような吠え声が外まで聞こえていました。どうすればいいのか分からず、ノイローゼになるほど悩みました。
でも、今はマルもお留守番できるようになりましたし、すっかり分離不安も治ったんです。
ドッグトレーナーさんに教えてもらったことや、わたしが経験して分かったハウツーをシェアします。
分離不安の症状まとめ。
- 飼い主の動きをいつも観察している。
- 家の中、どこに行くにもついて回る。
- 同じ部屋にいても、ゲージに入れられて飼い主の近くに行けないと吠える。
- 飼い主の姿が見えなくなると、キュンキュン鳴いたり吠えたりする。
- トイレやお風呂に入るなど、家の中にいても姿が見えないと吠える。
- 少し玄関から外に出るだけで、大声で吠える。
- 飼い主と離れていた間に限り、問題行動を起こす。
- いつもは間違えないのに、留守番中に限りトイレの失敗をする。
- いつもはしないのに、留守番中に限り部屋を荒らしたり、ものを壊したりする。
- いつもはしないのに、留守番後手や尻尾をかじったりむしったりする。
噛みグセ、吠えグセ、その他の問題行動の裏には分離不安が潜んでいることがあります。
分離不安が根底にある場合、表面の問題行動を抑えようとしてもうまくいきませんし、そのしつけが犬にとってトラウマにもなりかねません。
また、若いうちは大丈夫だったのに、老犬になって分離不安が出る場合もあります。
犬を飼っているなら、分離不安の対処の仕方を学んでおくことは、とても大切なことだと思います。
分離不安の解消法・治し方5つ。
分離不安を一朝一夕に直すことは、とても難しいことです。
生活の中のいろいろな要素が関わってきますので、ゆっくり時間をかけて教えていかなければなりません。
わたしが実際に行ったこと、ドッグトレーナーさんが教えてくれたことを中心にまとめていきます。
⒈クレートトレーニングを行う。
まず、分離不安解消に一番効果的なのは、クレートトレーニングを行うことだと思います。
クレートとはハウスのこと。
犬にとって一番安心できる空間となる非常に大切なものです。
クレートトレーニングの行い方については、こちら。
⒉クレートに入る前とクレートから出た後は、構わない。
クレートトレーニングの初期は、「ハウス」のコマンドを覚えさせるようにクレートから出た後などに褒めます。
一方、クレートトレーニングのステップが進んでいくにつれて、クレートに入ったこと・クレートから出たことに過剰に反応しない方がよいです。
お留守番の時や就寝時、クレートに入れる前は、「ハウス」のコマンドをかけるだけにします。
くれぐれも「行ってくるからね〜。お利口に待っててね〜」など興奮させるような声をかけないようにします。
起床時や外から帰ってきてクレートから出した時も、わんちゃんに構わないでおきます。
帰宅後などは、興奮して足元についてきたり家の中を駆け回ったりしますが、興奮がおさまるまで30分ほどは目も合わせないでおきます。
⒊飼い主主体で動き、犬のおねだりに応えない。
わんちゃんは、ご飯のおねだりや、お散歩のおねだり、遊んでほしいというおねだりなどいろいろなおねだりをしてきます。
おねだりする姿を見ると、ついつい可愛いと思う気持ちが先走って、その願いを叶えてしまいがちです。
しかし、ドッグトレーナーさんに、「そういう時わんちゃんの願いを叶えないようにしてください」と教えてもらいました。
我が家は、朝と夜の9時にそれぞれご飯をあげています。9時が近づくと、お腹を空かせたマルが足元にやってきて、カリカリと掻いたりく〜んと鳴いたりします。
その姿は確かに可愛いのですが、必ず無視し、おねだりが続く間は9時を過ぎたとしても餌をやらず、落ち着いてしばらく経ってから餌をやるようにしています。
また、おもちゃで遊ぶ時も、マルが飽きるまで遊びに付き合わないようにしています。
マルとは、「ロープ持っておいで」遊びをよくします。マルは、10回ぐらいは飽きずに遊ぶのですが、必ず5,6回で終えるようにしています。
ドッグトレーナーさんによると、「遊び終えたら、おもちゃをもう取り上げてしまう」のがよいそうです。
そして、また別の時に、飼い主主導でおもちゃを取り出して、遊んであげるようにします。
⒋「待て」をしつける。
餌やおやつを与える時に、「待て」がしっかりできるようにしておきます。
我が家では、餌の時間、まずリビングでマルに「待て」のコマンドを出します。そして、わたしはキッチンに餌の準備をしに行きます。
マルは、たまに待ちきれず、キッチンまで付いてきてしまうことがありました。
マルが「待て」ができなかった時は、餌の準備をしている手を止め、目も合わせないようにします。ドッグトレーナーさんに、「ロボットになったつもりでいてください」と言われました。
そうすると、マルは「何がこのロボットのスイッチなんだろう」と考えるようになり、定位置に戻って餌が出てくるまで待っていられるようになりました。
そうすると、次第に飼い主の姿が見えなくても待っていられるようになります。数秒からでいいので、飼い主が見えなくても待てるようにしつけていきます。
⒌少しずつ離れる練習をする。
分離不安を持っているわんちゃんは、家の中でも飼い主に付きまとって離れようとしません。
少しずつ離れる経験をさせていくのが、効果的です。
例えば、キッチンで料理をしている時やお風呂に入っている時などです。
しかし、分離不安のわんちゃんに急にこれをするとトラウマになりかねませんので、これはクレートトレーニングの中で行っていくのが、ベストだと思います。
また、少しだけ外に出て、姿が見えなくするのも効果があります。
マルの場合は、庭仕事やDIYをしている時をそのようにしていました。
他にも、ポストに郵便物を取りに行く時や、近くのコンビニに行く時に待っていられるようにトレーニングしていくことができます。
分離不安解消には薬物療法もある。
上で書いたのはすべて行動療法です。
行動療法で分離不安が改善しない場合は、薬物療法もあります。薬物療法については、わたしは素人ですし、マルも薬物療法の経験がないので、かかりつけの獣医さんに相談するとよいと思います。
「外では飼い主、家では自分」。
これも、ドッグトレーナーさんに教えてもらったことですが、多くのわんちゃんは、「家の中では飼い主さんが一番好き、外に出ると自分がしたいことをするのが好き」になるそうです。
我が家のマルもそうでした。
でも、理想は「外に出ると飼い主さんが一番好き、家の中は自分の時間」と思わせることだそうです。
そのために、上に書いている行動療法を行うようにします。
そうすると、家の中で飼い主に付きまとったり、願いを叶えてもらおうとおねだりをしてきたりすることが少なくなっていきます。
家の中では、犬の自立心を高めて上げることが大切なんですね。
分離不安は犬にとって、強いストレスがかかっている状態なので、ぜひとも治してあげたいものです。
コメント4件
[…] 分離不安については、こちらの記事「犬の分離不安とは?分離不安が治って分かった症状や解消法・治し方」にまとめています。 […]
はじめまして。我が家に保護犬を迎え、10日がたちます。分離不安症のようで、色々検索してこちらにたどり着きました。とても参考になります。
質問させていただきたいのですが、クレートトレーニングの途中でのお留守番はどうされていましたか? 子供がいるのでまったく外出しないわけにもいかず、どうしたものかと困っております。 トレーニング中はトラウマにならないよう、クレートには入れないでお留守番で良いのでしょうか?
[…] 分離不安が治った今、分かったことをこちらの記事「犬の分離不安とは?分離不安が治って分かった症状や解消法・治し方」にまとめています。 […]