その道37年の包丁研ぎ職人に弟子入り!研ぎ方を教えてもらいました

包丁研ぎ 手研ぎ

こんにちは、ことぐらしの「こと」です。

今回は、包丁研ぎ職人の研ぎに密着したお話。

研ぎ職人のお名前は、釜崎 満(かまさき みつる)さん。(実は、うちのお義父さん)。

なんと包丁研ぎ歴37年の職人さんです。

結婚してから家庭包丁を時々研いでもらっていたんですが、今回改めて、「どうやって包丁を研いでいるのか教えて」と言ったら、快く教えてくれました。

満さんのこだわりは、手研ぎ。長崎で手研ぎの包丁研ぎ職人は、もうほとんどいないそう。

そんな熟練の技を見てきたので、研ぎ方講座的な読み物としてお楽しみください!

歴37年の研ぎ職人による「包丁の研ぎ方講座」

包丁研ぎ職人は、いわば包丁のお医者さん。

お医者さんが問診をし患者に合わせた治療をするように、研ぎ職人も包丁の状態を知り、包丁に合わせた研ぎ方で整えていきます。

〈包丁研ぎの極意〉その一、包丁の状態を知る

研ぎ職人の仕事は、包丁を観察することから始まります。

包丁の材質や減り具合、刃こぼれや錆がどこに入っているかを確認し、把握するのです。

錆の入ったところは、刃こぼれしていたり、黒い点となっていたり。

その包丁を見れば、「堅いものを切ったかな」など、これまでの扱いも分かるのだそうです。

包丁の状態に応じて、どんな研ぎが必要になるか、どの程度まで研ぐかを頭の中でイメージし、研ぎを始めます。

〈包丁研ぎの極意〉その二、包丁に合わせて研ぎこむ

包丁研ぎ 砥石の種類

包丁の状態が分かれば、いざ、研ぎのスタートです。

満さんが使う砥石は、極荒砥石(100番)、荒砥石(200番)、中砥石二種(800番と1,000番)、仕上げ砥石(4,000番)の五種類。

砥石は数字が大きくなればなるほど、粒子が細かくなるので、砥石を一往復する時に研げる量が減ります。

数字の小さい砥石から順に使って研いでいくのが、包丁研ぎのルールです。

ただし、包丁の状態に合わせて、どの砥石から研ぎ始めるかは様々。

大幅な研ぎが必要ない包丁を極荒砥石から研いでしまうと、包丁がどんどん小さくなってしまい、もったいない。

でも、角度の調整などが必要なものを中砥石から研ぐと、時間もたくさんかかり、砥石も減り、これもまたもったいない。

どの砥石を使うか。それを知るのにも、職人の経験と目利きが必要なのです。

〈包丁研ぎの極意〉その三、角度を寝かせて研ぐ

包丁研ぎ 手研ぎの角度

包丁研ぎで重要となる角度。

角度を高くすれば力も入れやすく早く研げるため、急いでいる時や慣れないうちは角度を起こして研いでしまう人が多いそう。

「はじめて研ぐ人によく言うのは、10円玉が挟まるぐらい、ってね」と、満さんが話します。

10円玉が挟まるぐらいとは、かなり角度を寝かせて研がなければいけません。

でも、明らかに満さんの付ける角度はそれ以下。研がれた包丁は角度の境がわからないほど滑らかです。

角度のコツを掴むまでは、やはり実際に何度も研いでみるのが必要だそう。

〈包丁研ぎの極意〉その四、包丁は横向きで研ぐ

包丁研ぎ 手研ぎは砥石に対して真横に

包丁は砥石に対して、真横、つまり垂直に構えます。

これを斜めに構えて研いでしまうと、刃のちょうど中央あたりが一箇所だけ研げすぎて、刃のカーブが歪になってしまいます。

包丁のアーチをきれいに整えるには、真横に構えて少しずつ研いでいくことが大事。

時間はかかっても、仕上がりの刃はきれいな弧を描いています。

〈包丁研ぎの極意〉その五、刃がえりを見落とさない

包丁研ぎ 刃がえり

ある程度研ぎ終われば、次の砥石へと研ぎ移っていくのですが、その合図の見極めがなかなか難しいんです。

包丁を研いでいくと、包丁の金属のカスが研いだ面の裏側の刃先に盛り上がってきます。それを指の腹で触ると、ほんのわずかにざらっとした感触。

この金属のカスを「刃がえり」と言い、刃がえりを確認したら、もうその砥石では研ぎ終わり。

それ以上研いだところで、包丁が減っていくだけなので、次に目の細かい砥石へと移ります。

でも、この刃がえり、弟子(わたし)はわからず……。上の写真は、「まだわからんか」と笑われている様子。

手先の器用さだけでなく、感覚の鋭さも、やはり職人に必要な能力なのでした。

〈包丁研ぎの極意〉その六、「美」を大切に

野菜や肉の灰汁で色が変わってしまった包丁は、表面もしっかりきれいにします。

切れ味には直接影響しないところですが、「包丁を返した時『きれいになった!』と喜んでもらいたいから」と、職人が話します。

欠けた小さな砥石を消しゴムがわりに使い、包丁の表面を磨くと、茶色い変色が鋼の色へと戻っていきました。

先の欠けた包丁の欠けを滑らかにするのも忘れず。

〈包丁研ぎの極意〉その七、道具と知識どちらも大切

どうやって研ぐかだけでなく、道具を大切に扱うのも職人だからこそ。

砥石の管理についても教えてもらいました。

砥石の表面には、砥石のカスと刃物の金属クズが混じった研ぎ汁が付きます。これが研磨剤がわりとなって、包丁は研げるのだそう。

「だから、片付けの時は、この研磨剤を洗い流さず残しておくとよいよ」と、満さん。

そうすれば、次回、すぐに研ぎ始めることができ、研ぎの仕事時間の短縮にもなります。

また保管の際は、砥石を乾かさないのも大事。

特に、目の荒い砥石は乾きやすいので、水に浸したり密閉容器に入れたりして、乾燥しないように保管します。

道具の扱い方にも、しっかり職人らしさが現れていました。

〈包丁研ぎの極意〉おまけ、包丁の美しさを引き出す

職人の包丁研ぎで一番美しいと思う瞬間を聞いてみました。

返ってきたのは、「中砥石で研ぎ終わった後」という言葉。

鋼と鉄の色の違いがくっきり現れた、その刃文(はもん)を見るたび、きれいだなぁと思うそう。

まるで日本刀のようなその刃文は、シンとした美しさをたたえていました。

後記:「ジャッジャッジャッ、チョロロ、シャッシャッ」

どの砥石を使うかによって、奏でる音が変わるんです。

荒い砥石はジャッジャッと。細かい砥石はシャッシャッと。そして、時折流れる水のチョロロとした音。

目を閉じて、リズムを刻む研ぎミュージックを聞いていると、お義父さんは研ぎ職人じゃなくてクラブDJなのかな?と思えてきました。

渋いぜ、研ぎミュージック。

腕と手と、目と耳と。感覚総動員で楽しく弟子入り修行!また今度も見せてもらおーっ。

研いでもらった包丁で美味しい料理作るの楽しみです!

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